第3回全国高校生馬術選手権大会
馬術競技会レポート

2016年1月9日(土)~10日(日)
場所:東関東ホースプロジェクト
報告:原田 寛久(審判長)

この競技会は、全国の高校生を対象に、競技会を通じた友情形成及び競技会にもっと親しんで欲しいという趣旨で開催され今回で3回目となります。1月初めの寒い時期でしたが、晴天に恵まれた競技会日和での開催となりました。

今回の競技会は、北は北海道から南は福岡県までの日本全国から、24名の選手が揃いました。その中には全日本クラスの競技会で活躍している高校生も多く、非常に見応えのある競技会となりました。また、入賞選手には豪華な賞品が提供されるということもあり、24名の選手による優勝をかけた熱戦が繰り広げられました。

また、今回の競技会には日本大学(馬術部)より勧誘担当の学生も来場しており、スカウトしてもらえるようにという気持ちが高校生から垣間見えていました。この競技会は普通の競技会とはルールが少し違い、勝ち残り式トーナメントによる形式で行われました。まず1回戦の出番及び馬の決定を行いますが、ここから勝負は始まっていました。普通の抽選では、出場選手が自分の出番と馬を抽選しますが、今回は公平を期すために、自分を含む24名の出場の出番と馬をクジで決めるという方式がとられました。誰が自分の出番と出場する馬を決めるかが分からないため、選手も緊張しながらクジ引きを行いました。

出番と出場馬が決定した後、競技に使用する馬の馬見せが行われました。その際選手は、自分の騎乗する馬の試走を真剣な眼差しで見ており、各選手の優勝をしたいという気持ちが表れていました。この競技会でのルールは、減点が少なく、尚かつタイムの速い選手の勝ちですが、二反抗失権や落馬をしてしまった場合は、残障害による減点の決定がされ、同一馬の全選手の成績が決定するまで次の競技に進めるかが分からないという良い緊張感の中で競技が進行されました。

1回戦では、3名が1頭に騎乗し、成績の良い2名が2回戦に進出しました。2回戦から準決勝までは、2名が1頭に騎乗し、成績の良い選手が次に駒を進めました。馬は事前作成されたトーナメント表により決まっていますが、先攻後攻については、各ブロックの選手がじゃんけんを行い、勝った方が決めることが出来るため、ここでも心理戦が繰り広げられていました。

決勝戦では、加藤駿人選手(愛知)と木村早希子選手(東京)が2頭の馬を交互に騎乗し、優勝をかけた戦いが行われました。ドリームキャプテン号に1番に騎乗した加藤選手が、タイムを意識した走行により減点8でゴールを切り、後続の木村選手にプレッシャーをかけました。しかし、木村選手は難しいリアライズザベスト号に上手く騎乗し減点12でゴールを切り、1落下差という僅差での両者1回目の走行が終了しました。両者共に2頭目に乗り換え、先に出場したのはドリームキャプテン号に騎乗した木村選手でした。木村選手は先ほどの加藤選手と同じタイムを意識した走行で、加藤選手より1落下少ない減点4でゴールを切りました。木村選手の総減点は16となり、この時点での両選手の差は8点となっていました。加藤選手はリアライズザベスト号にパートナーを変え、最後の走行に挑みました。この時点で、優勝するためには加藤選手は1落下しか許されないという厳しい状況でした。途中で2本の落下があり、タイム差による勝敗の決定になると皆が思っていたところ、最終ラインの障害でまさかの1落下があり、総減点が20となり、最後の最後で木村選手が総減点で上回り、逆転優勝をしました。

優勝した木村選手には豪華賞品が表彰式で手渡され、その中での目玉賞品は、新品の鞍と今年デビューする競走馬の命名権でした。この競走馬は、東関東馬事高等学院の学生が愛情を込めて馴致調教をした競走馬の1頭です。この様な商品が提供されるのも、この競技会ならではと感じました。今回の競技会では、高校生最後の競技会になった選手もいれば、次回の開催でリベンジを行いたいという選手もいました。また、ここには書ききれない様々なドラマが生まれました。この様に、学生の頃から競技会を通じて、初めて乗る馬との信頼関係の形成、参加選手同士の友情の育みを体験出来たことが一番の収穫になったのではないかと思います。

2日間運営に協力して下さった、東関東ホースプロジェクトの役職員の方、学生の方、選手、並びに選手のご両親のご協力があったからこそ今回の競技会が成功することができたのではないかと思います。関係者皆様に感謝しますと同時に、この大会が今後発展していくことを祈念し、報告とさせていただきます。